Dynamics CRM 2011 関連フィールド及び参照ダイアログの機能紹介

みなさん、こんにちは。

今回は開発者の方向けの情報として、Microsoft Dynamics CRM 2011 に
おける、参照ダイアログの機能を紹介します。

参照ダイアログのフィルタ

参照ダイアログを利用する場合、選択するレコードを多すぎると操作に
時間がかかる他、選択すべきでないレコードを選択してしまう場合が
あります。そこでフィルター機能が活躍します。

関連レコードでフィルタ

1. 営業案件フォームをフォームエディターで開きます。

2. 見込み顧客の横に、取引先担当者を配置します。

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3. 配置した取引先担当者をダブルクリックして、プロパティを表示します。

4. 関連レコードのフィルタリングで、以下のように設定を行います。

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5. すべて保存し、公開をクリックします。

上記の変更により、取引先担当者の参照ダイアログが開いた際に、
見込み顧客の取引先責任者に該当する担当者のみが表示されます。

6. 見込み顧客の関連するすべての担当者を表示したい場合は、以下の
設定に変更します。

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尚、ユーザーがフィルターを無効にできるオプションで、ユーザーに
フィルターを解除することができるか設定も可能です。

以下は実際にレコードを開いた画面です。見込み顧客であるファブリカム
の担当者だけが表示されています。

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検索ダイアログボックスビューでフィルタ

検索ダイアログボックスビューでフィルタを行うことも可能です。

1. 設定 | カスタマイズ | システムのカスタマイズを開きます。

2. 取引先担当者 | ビュー | 取引先担当者検索ダイアログビューを開きます。

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3. フィルター条件の編集をクリックします。

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4. 既定ではアクティブなレコードのみが表示されるようになっています。
必要に応じて設定を変更します。今回は条件をクリアして、すべての
担当者が表示されるようにしました。

5. 変更を保存して、カスタマイズを公開します。

以下は実際にレコードを開いた画面です。見込み顧客であるファブリカム
の担当者だけが表示されていますが、先ほどと異なり、無効な担当者も
表示されています。

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参照ダイアログでの検索

フィルタを利用しても表示されるレコード数が多い場合、検索を利用して
レコードを検索できます。検索される列の設定は該当するエンティティの
簡易検索ビューの設定から指定が可能です。

関連フィールドの自動解決

既に指定したいレコードが分かっている場合、参照ダイアログを開くこと
なく、関連フィールドに直接値を入力出来ますが、この際に以下の機能を
利用出来ます。

自動解決

ある程度値を入力した際に、自動的に解決してくれる機能です。

1. 営業案件レコードを開きます。

2. 取引先担当者のフィールドに佐々木と入力します。

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3. 他のフィールドへフォーカスを移動させると、自動的に解決します。

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自動解決は非常に便利な機能ですが、1 点注意が必要です。自動解決は
参照ダイアログのフィルタを利用してデータを取得しています。そのため
システムには存在するが、フィルタにかからないレコードを入力すると、
以下のように [x] アイコンが表示されます。

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佐本ではじまる担当者は、フィルターを解除すると実際には存在します。

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この動作は意図した動作であり、フィルタ条件を変更することで回避できます。

最近利用したアイテム

一度入力をすると、最近利用したアイテムとして履歴を表示してくれます。

1. 再度レコードを開いて、取引先担当者フィールドをダブルクリックするか
入力を始めます。

2. 最近利用したアイテム一覧が表示されます。

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上記 2 つの機能はフィールドの動作設定から有効/無効を選択できますので、
必要に応じて設定を行ってください。

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まとめ

関連フィールドおよび参照ダイアログでは、作業効率向上に役立つ機能が
充実しています。しかしその反面設定を正しく理解していないことで、必要
なレコードが検索できないなどの問題に直面する場合があります。

必要に応じて設定を変更してください。

‐ Dynamics CRM サポート 中村 憲一郎