Dynamics CRM : 2012 年 12 月 サービスアップデート 新フォームの紹介 その 5 - 潜在顧客、営業案件フォーム

みなさん、こんにちは。

前回に続き、今回もエンティティ固有の機能を紹介します。
今回は潜在顧客と営業案件です。

Microsoft Dynamics CRM の営業機能

Microsoft Dynamics CRM では営業機能として、複数のエンティティを
提供し、それらが連携するように設計されています。主な流れは
以下の通りです。

潜在顧客 - 営業案件 - 見積もり - 受注 - 請求書

また上記流れの他に以下のようなエンティティも提供します。

営業資料、製品、競合企業、キャンペーン、目標

2012 年 12 月サービスアップデートでは、まず潜在顧客と営業案件
で新しいフォームを提供しています。

潜在顧客と営業案件の新しいフォーム

今回の新しいフォームでは、潜在顧客と営業案件は同じフォームを
利用します。つまり潜在顧客レコードを開いても、営業案件を開いて
も、同じフォームが表示されます。

これら 2 つのエンティティは営業プロセスの一環として設計されて
おり、今回フォーム上でもそれが反映されています。

では早速フォームを確認してみます。

1. サイトマップより潜在顧客を選択して、新規ボタンをクリックします。

2. トピックと担当者の姓を入力して、作成をクリックします。ここでは
担当者の姓に早川と入力しました。

3. すでに取引先担当者が存在するか、評価プロセス欄で確認
します。入力した姓を検索キーワードとして自動で検索されます。
この機能により、重複したレコード作成を避けることが可能です。

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4. 今回は検索を利用して取引先担当者を指定しました。また
取引先企業として担当者が所属するフォースコーヒーを選択します。

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5. 評価プロセスにある購入時期等の情報をすべて入力後、メニュー
より見込みありと評価をクリックします。

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6. 営業のプロセスが提案作成に移ります。またこの時点でフォームの
タイトルに営業案件と表示されます。

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7. メイン画面より営業案件のサイトマップを選択すると、新しいレコード
が作成されていることが分かります。

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8. レコードに戻り、評価プロセスをクリックします。すると潜在顧客の
レコードが表示されます。つまりフォームで 2 つのエンティティの
レコードを閲覧することが可能です。

見込みありと評価

今回新しいフォームを提供するにあたり、見込みありと評価の機能が
変更になりました。以前は一旦ダイアログが表示され、取引先企業、
取引先担当者、営業案件への変換を手動で選択できましたが、今回
から、自動ですべてのレコードが作成されます。

この挙動はクラシックフォームでも同様です。

カスタマイズ

2 つのエンティティが同じフォームに表示されはしますが、プロセスに
よって明確に潜在顧客と営業案件は分かれていますので、フォームの
カスタマイズはそれぞれのエンティティで行っていただけます。

プロセスのカスタマイズについてはこちらをご覧ください。

まとめ

今回は同じフォーム上で 2 つのエンティティを同時に参照することが
できるという新しい操作性を提供していますが、営業プロセスとしては
途中までしか処理ができません。現在の運用上見積もりや受注まで
連鎖していく必要がある場合は、クラシックフォームを引き続きご利用
ください。

運用上、営業案件までしか利用しない場合には、面白いソリューションに
なると考えています。尚、時期は未定ですが、今後も新しいフォームは
他のエンティティにも採用していく予定です。

- Dynamics CRM サポート 中村 憲一郎