Dynamics CRM 2011 展開アドミニストレーターについて

みなさん、こんにちは。

今回は、Microsoft Dynamics CRM 2011 の展開アドミニストレーターと
展開マネージャー、また展開 Web サービスの情報をお届けします。

概要

展開アドミニストレーター

展開アドミニストレーターは、Microsoft Dynamics CRM 2011 において、
組織単位ではなく、実装レベルの管理を行います。例えば、以下の
作業を行います。

‐ CRM 組織の追加、変更、削除、更新の適用
‐ クレームベース認証や IFD の構成
‐ プロダクトキーの変更
‐ 既存サーバーの有効/無効
‐ 展開アドミニストレーターの追加や削除

既定では、 Microsoft Dynamics CRM 2011 インストール時のアカウント
が、展開アドミニストレーターとなります。

展開マネージャー

展開アドミニストレーターが、上記のような作業を行うために提供
された GUI ツールです。Microsoft Dynamics CRM 2011 インストーラー
で展開ツールを選択することでインストールされます。

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PwerShell コマンドレット

CUI ベースで展開アドミニストレーターの作業を行うことができるよう
PowerShell のコマンドレットが提供されます。こちらも展開ツールを
インストールすることでインストールされます。

展開 Web サービス

Web サービス経由でも展開アドミニストレーターのタスクを実施できる用
SDK が提供されます。これにより独自のアプリケーションを開発できる他、
PowerShell のコマンドレットは展開 Web サービスを利用して実行されます。

展開アドミニストレーターの権限

新たに展開アドミニストレーターを追加する場合、相応の権限付与が
必要となりますが、利用するツールによって必要な権限が異なります。

展開マネージャーを使用する場合

この場合、すべての作業は展開アドミニストレーターユーザーの権限で
実施されるため、いくつかの権限が必要となります。ユーザー単位で
権限設定をしても構いませんが、今後展開アドミニストレーターが変わる
可能性がある場合は、専用のセキュリティグループを作成することも
検討対象となります。

- Microsoft Dynamics CRM 2011 サーバーの Local Administrators グループ
- Microsoft SQL サーバーの Local Administrators グループ
- Microsoft SQL サーバーの SysAdmin 権限
‐ 以下 Active Directory セキュリティグループの Read、Write、および
Add/Remove self as member 権限
ReportingGroup
PrivUserGroup
UserGroup

PowerShell コマンドレットまたは 展開 Web サービスを使用する場合

この場合、全ての作業は展開 Web サービスのアプリケーションプール
アカウントで実施されますが、PowerShell 利用時に展開 Web サービス
のアドレスを、Microsoft Dynamics CRM 2011 の構成データベースより
取得しようと試みます。その場合以下の選択肢を検討してください。

‐ 該当ユーザーに MSCRM_CONFIG データベースの読み取り権限付与
‐ PowerShell を実行しているサーバーのローカルレジストリにおいて、
HKLM\Software\Microsoft\MSCRM に DeploymentWSUrl を追加し、正しいアドレスを設定

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また、該当ユーザーがサーバーにローカルまたはリモートログイン
できる権限等必要に応じた権限は付与してください。

展開 Web サービスのアプリケーションプールに必要な最小権限は
以下のページをご参照ください。

Microsoft Dynamics CRM のセキュリティに関する考慮事項
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh699825.aspx

その他の注意事項

新規ユーザーを展開アドミニストレーターとして追加した場合でも、
そのユーザーが自動的に CRM ユーザーとなることはありません。
CRM ユーザーとしても利用したい場合は、別途ユーザー追加の
作業が必要となります。

‐ Dynamics CRM サポート 中村 憲一郎