Dynamics CRM 2011 ワークフローの機能

みなさん、こんにちは。

今週は Dynamics CRM 2011 のワークフロー機能を紹介します。
また CRM オンラインと設置型の違いもあわせて紹介します。

プロセス

Dynamics CRM 2011 では、2 種類のワークフローを提供します。
1 つは Dynamics CRM 4.0 でも利用できたワークフロー機能です。
もう 1 つは、UI を持ったワークフロー機能で、名称はダイアログです。

機能が 2 つあることから、カテゴリとしてはプロセスという名称を用いており、
設定 |プロセスセンター | プロセスからアクセスできます。

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ダイアログ

ダイアログ機能は、手動で実行を開始するタイプで、UI が存在します。そのため、
ユーザーとのインタラクティブな対話が可能です。処理は同期的に行われます。

例えば、ある取引先企業を顧客としたサポート案件を作成したい場合に
ダイアログを利用すれば、ウィザード画面にその顧客が所有している契約を
動的に表示したり、件名をウィザード上で入力させることが可能です。

ワークフローでは自動判断できないような内容がある場合や、ウィザード
形式でユーザーに処理を進めてもらいたい場合のソリューションとなります。

ワークフロー

ワークフロー機能は、レコードの作成や更新などの動作をトリガーにすることで
起動/実行されるバックグランドプロセスです。自動実行以外に、ダイアログ同様
手動でも開始することが可能です。非同期サービスによって実行されるため、
処理は非同期に行われます。

例えば、取引先企業を作成したタイミングで、自動的に関連するレコードを
作成するワークフローや、サービス案件を更新したタイミングで、関連する
顧客のレコードの情報を更新することなどができます。

プロセスの作成と編集

ワークフロー、ダイアログともに、UI のエディターが提供されています。
よってコーディングを一切しないで、プロセスを作成することが可能です。

拡張ポイント

プロセス機能の拡張は、設置型でのみ 以下のことが可能です。

ワークフロー用のカスタムアクティビティの作成

エディターが提供していない機能を独自に作りこみ、アクティビティとして
追加することが可能です。追加されたアクティビティは UI 上で認識され
既存のものと同様、ステップとして UI から選択できるようになります。

開発は Visual Studio 2010 で行い、Plugin Registration Tool によって
登録、管理が可能です。

XAML ワークフローの利用

Dynamics CRM 2011 のワークフローは、.NET Framework 4.0 の
ワークフロー機能を利用しており、ワークフローの定義は XAML と呼ばれる
XML 形式を利用しています。よって手動または Visual Studio 2010 で直接
定義を変更することが可能です。

その際に、 Dynamics CRM 2011 で選択できるアクティビティ以外の機能も
利用できるため、より強力なワークフローを開発することが可能です。

まとめ

Dynamics CRM 2011 では、UI 形式のワークフローであるダイアログが
追加になるとともに、総称としてプロセスという名称が追加になりました。
また、.NET Framework 4.0 の機能を利用することで、パフォーマンスの
向上や XAML ワークフローのサポート等機能拡張がなされています。

次回からは、具体的にそれぞれの機能の使い方を紹介して行きます。

- Dynamics CRM サポート 中村 憲一郎