Windows Azure Web サイトでステージング環境を利用可能に、モニタリング&アラート機能追加、Windows Azure Hyper-V Recovery Manager の正式提供開始

先週、PCI DSS  準拠 と同時に、Windows Azure の機能追加についてもアナウンスが行われています。

Windows Azure Web サイト : ステージング環境、Always On (常時接続)、Web Job

これまで Windows Azure クラウドサービス では、1 つのサービスの中に 本番環境 (Production) とステージング環境 (Staging) があり、アプリケーションやサイトのアップデート時、またはテストなどでステージング環境を利用し、本番環境とステージング環境を入れ替えて運用できる VIP スワップ 機能が備わっています。これと同様の機能が Windows Azure Web サイトにもプレビュー機能として追加されました。Always On (常時接続) は、言葉通り常時サーバーに接続できる状態を保つ (Always On Being Available) 機能です。

※ Windows Azure Webサイト でステージング、Always On を利用するには、標準モードにしておく必要があります。

Web Job は、オンデマンド または スケジュールで、あるいは継続的にジョブを 実行できる機能で、Windows コマンド( *.exe / *.cmd / *.bat) や bash (*.sh) ファイルの他、PHP(*.php) / Python(*.py) / Node.JS (*.js) を実行できます。Web Job の利用方法については、GitHub > Project Kudu > Web jobs に詳細が掲載されています。

※ Web Job のスケジュールによる実行を利用する場合は、Windows Azure スケジューラー (プレビュー機能) のプレビュー申し込みが必要です。

 

ステージング環境を作成するには、該当する Web サイト のダッシュボードから [ステージングされた発行の有効化] をクリックします。標準モードになっていない場合は、スケールのページから、[Web サイトのモード] を標準に変更します。標準モードに設定したい Web サイト は選択できます。保存を忘れずに。

 

Web サイトの一覧画面を表示すると、各サービスの先頭に ▶ が表示されてタブが開けるようになり、「example (staging)」という名称のサイトが選択できるようになります。URL は example.azurewebsites.net → example -staging.azurewebsites.netになります。(カスタムドメインを利用している場合は、このステージングのURLも設定できます。) ダッシュボード他の機能は、本番環境とほぼ同様ですが、スケールなどの設定は本番環境のみの設定です。FTPユーザー名も example\username → example _staging\username になっています。画面下の [スワップ] で本番環境とステージング環境を入れ替えることができます。

 

Visual Studio や WebMatrix などツールからデプロイする場合でも、Windows Azure Web サイトの一覧にステージングサイトが表示されるようになります。

 

モニタリング&アラート機能

Windows Azure Web サイト のダッシュボードに表示されているサービスのモニタリングが毎分になるなどのモニタリング機能の強化や、CPU時間やリクエスト数などに加えて HTTPエラーなど、より詳細なアラートを設定できるようになるなどの機能強化が行われています。アラートを設定できるサービスとしては、クラウドサービス / Web サイト / 仮想マシン / モバイルサービスの他、SQL データベースやストレージでも利用できるようになります。

 

Windows Azure Hyper-V Recovery Manager の正式提供開始

プライベートクラウド(オンプレミス) の自動レプリケーションや回復を行う機能を提供する、Windows Azure Hyper-V Recovery Manager がプレビューから正式提供になりました。

Windows Azure Hyper-V Recovery Manager (HRM) は、プライベートクラウドを管理するSystem Center Virtual Machine Management (VMM) サーバーと通信を行い、プライベートクラウドでホストしている仮想マシンに対して、バックアップや復元などの管理を含む自動化(オーケストレーション)を行う機能を提供します。HRMはWindows Azure で稼働していますが、Windows Azure 上にはポリシーや自動化の設定とそのステータスのみが保持され、仮想マシンのレプリカ自体はWindows Azure上ではなく、プライベートクラウド内に保存されます。

社内で新たにサーバーを用意する必要もなく、社内リソースを自動でレプリケーション / 復旧する仕組みを整備することができ、バックアップから速やかに原状復帰できるDR(災害復旧)対策の仕組みとしても活用できます。

 

Windows Azure Team Blog > Announcing PCI DSS compliance and expanded ISO certification for Windows Azure, general availability of Windows Azure Hyper-V Recovery Manager and other updates to Windows Azure (→ 日本語訳)

ScottGu's Blog > Windows Azure: Staging Publishing Support for Web Sites, Monitoring Improvements, Hyper-V Recovery Manager GA, and PCI Compliance

Server & Tools Blogs > Server & Management Blogs > In the Cloud > Announcing the GA of Windows Azure Hyper-V Recovery Manager