Windows Azure 仮想マシン、仮想ネットワークがサービス正式公開、IaaS サービスを提供

Windows Azure で IaaS 型サービスを提供する Windows Azure 仮想マシン および Windows Azure 仮想ネットワーク がサービス正式公開 (GA: General Availability) となりました。これらのサービスは Windows Azure インフラストラクチャ サービス という総称になりました。

 

■ Windows Azure 仮想マシン の GA と機能強化

クラウド上で 仮想マシンによるサーバー環境を提供する Windows Azure 仮想マシンでは、Windows Server および Linux をサポート、予めギャラリーに用意されているイメージから仮想マシンを作成できるほか、ご自身の仮想マシンイメージ (VHD) をコピーして稼働させることもできます。(Hyper-V からの VHD コピー、配置といった操作がオンプレミス(社内設置型)環境と同様に行えます。) また、VMDepo のオープンソースギャラリーと統合されており、VMDepo に公開されているイメージから仮想マシンを作成、稼働することも可能です。ギャラリーから SQL Server / BizTalk Server / SharePoint Server を搭載した イメージも利用可能になりました。

正式公開に伴い、SLA (Service Level Agreement) が 4/16 から有効になり、99.95% の年間稼働率を保証します。また、高スループットを要するアプリケーション向けにメモリを増強した、メモリ集中型インスタンス (仮想マシン) が新たに提供されます (下記表の A6, A7)。 なお、ロードバランサー機能も組み込まれており、複数の仮想マシンでトラフィック負荷分散を自動で行います。

コンピューティング価格の引き下げも合わせてアナウンスされ、Windows Azure 仮想マシン(Linux)  が約25%、Windows Azure クラウドサービス が 約33 % の価格引き下げとなります。 90 日間無料評価版、および MSDN / MPN(Microsoft Partner Network) ご参加パートナー向けの Windows Azure メンバープラン の無償利用枠も拡大されており、メモリ集中型インスタンスも利用できます。

インスタンス 種別 サイズ CPU コア数 メモリ ネットワーク 帯域  追加可能な データディスク数 (1TB/個) Windows Azure 仮想マシンの価格
Windows Linux
標準 インスタンス XS (A0) 共有 768 MB 5 Mbps 1  ¥1.67  ¥1.67
S (A1) 1 1.75 GB 100 Mbps 2  ¥7.48  ¥4.99
M (A2) 2 3.5 GB 200 Mbps 4  ¥14.95  ¥9.97
L (A3) 4 7 GB 400 Mbps 8  ¥29.90  ¥19.93
XL (A4) 8 14 GB 800 Mbps 16  ¥59.79  ¥39.86
メモリ集中型 インスタンス A6 4 28 GB 1000 Mbps 8  ¥84.71  ¥68.10
A7 8 56 GB 2000 Mbps 16  ¥169.41  ¥136.19

 

■ Windows Azure 仮想ネットワーク GA 

Windows Azure 仮想ネットワークでは、クラウド上に仮想プライベートネットワークを構築することができ、Windows Azure と 社内ネットワーク との間で インターネットによる VPN 接続を実現します。社内ネットワークをクラウド上に拡大して、Windows Azure 仮想マシンによるサーバーの増強や、Windows Azure の各種サービスと社内設置型サービスを連携させる ハイブリッドソリューションの構築を行うことができます。サービスの正式開始により、Windows Azure 仮想ネットワークも 99.9% の SLA となります。 

 


●Windows Azure の IaaS 機能正式提供

Microsoft News Center (日本) > クラウド OS の中核を担う「Microsoft Windows Azure」の機能拡張とパートナー連携強化を発表
Windows Azure Blog > The Power of ‘And’ (日本語訳)
ScottGu's Blog > Windows Azure: General Availability of Infrastructure as a Service (IaaS)

windowsazure.com > 機能: インフラストラクチャ サービス

●SLA

windowsazure.com (日本語) > サービスレベルアグリーメント
Microsoft Download Center > Windows Azure Cloud Services, Virtual Machines, and Virtual Network SLA

●価格

windowsazure.com (日本語) > 料金詳細: 仮想マシン
windowsazure.com (日本語) > 価格: 90 日間の無料評価版
windowsazure.com (日本語) > MSDN サブスクライバ―向けの特別プラン

●Windows Azure 仮想マシン でサポートされる OS / アプリケーションサーバー 【4/20 追記】

マイクロソフトサポート > Microsoft server software support for Windows Azure Virtual Machines 

●Windows Azure 仮想マシン 採用事例 【4/20 追記】

ソフトバンクテクノロジー株式会社 プレスリリース > ADFSもMicrosoft SharePoint ServerもMicrosoft Windows Azure対応を実現!
株式会社ビットアイル サービスニュース > ビットアイル クラウドサービスをマイクロソフトWindows Azure に連携 ~「CLOUD CENTER for Windows」とAzure IaaS によるハイブリッドクラウド~ 
マイクロソフト 導入事例 > 国立大学法人 東京工業大学

 


Windows Azure 仮想マシン の作成画面に、SQL Server 2012 SP1 / BizTalk Server 2012 / SharePoint Server 2013 などのイメージも表示されています。Linux は Ubuntu / CentOS / SUSE Linux を利用可能です。

これまでの XS / S / M / L / XL に追加して、メモリーを増強した A6 / A7 が利用可能となっており、初期管理者ユーザー名を自由に設定できるようになっています。

仮想マシンの新規作成 (ギャラリー利用) の手順で ロードバランサー機能を設定できます。

 

OS ディスクは 127 GBまで拡大されており、A6 では CPU 4 コア、メモリ 28 GB となります。

 

 

 

【4/30 追記】

ご利用中の方には Windows Azure サブスクリプション管理者の方にメールでご連絡があったかと思いますが、これまでプレビュー公開されていた Windows Azure クラウドサービスの VM Role が 2013 年 5 月 15 日で終了となります。これ以降に クラウドサービス VM Role の作成はできなくなり、2013 年 5 月 31 日 にはすべて削除されます。Windows Azure クラウドサービス VM Role の環境を Windows Azure 仮想マシン へ移行する作業をお願いいたします。

MSDN Library > Moving from VM Role to Windows Azure Virtual Machines