この記事を皮切りとして、今後、何回かにわたって [Start] (スタート) 画面のデザインと、プログラムの起動と切り替えという重要な操作がどのように進化してきたのかについてお話ししていきたいと思います。[Start] (スタート) 画面を Windows 8 の "Metro シェル" と呼ぶ人もいますが、私たちにとってはあくまでも [スタート] メニューとそれに関連した機能が進化したものです。私たちは皆さんから寄せられるコメントに注目してきましたが、このような主要インターフェイスの変更に対して、当然予想したとおりのさまざまな反応が見受けられました。今後の一連の投稿で、皆さんからいただいたコメントにお返事していきたいと思います。まずは現在のデザインにたどりつくまでのいきさつと決定した内容の説明から始めましょう。先日リリースされた Developer Preview はあくまでアプリの構築を主眼としたものであり、ユーザー エクスペリエンスのコア部分はまだ開発段階なので、ここでの議論は、基本的な原則の部分から始めて具体的な設計の詳細をたどり、プロジェクトの次のマイルストーンで目指すものの背景を理解するうえで役立つようなものにしたいと考えています。

この記事は、Core Experience Evolved (次世代コア エクスペリエンス) チームのプログラム管理者リードである Chaitanya Sareen が執筆しました。Chaitanya は Windows 7 でもエクスペリエンス設計に携わっており、マイクロソフトの Engineering Windows 7 ブログで記事を執筆していたので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

–Steven

この投稿から始まる一連のブログ記事では、刷新された [Start] (スタート) の詳細やその背景についてお話ししていきたいと思います。最初の記事では、[スタート] メニューの歴史と進化、そして私たちがユーザーの皆さんから学んだ問題や傾向についてお話しします。私たちがこれからどこへ向かうのかを話し合う前に、まず、どこから来たのかを理解しておくことが重要だと思うからです。この次の記事では新しい [Start] (スタート) 画面の設計の詳細についてご紹介し、そこから次の議論の方向性を検討したいと思います。 

人によっては、Windows の変更はどのようなものであっても混乱を生じさせるものなので、そういった変更についてのオープンな対話の場を引き続き確保していきたいと思います。Windows は人々の生活に非常に深く浸透しているため、どのような変化に対しても、「どうやってオフにできるのか」などの咄嗟の反応があったり、効率性が上がったか下がったかという議論が起こりがちです。

タッチ操作についての論争は、マウスとは何かのトリックなのか、時間を浪費するだけの道具なのか、ユーザー エクスペリエンスにおけるイノベーションなのかなど、1980 年代に起こったマウスについての論争と不気味なほどよく似ています。これは、タッチに対するマウスの優位性を主張するコメントが数多く寄せられていることを踏まえ、触れておきたい点でした。マウスが導入されたころの状況と異なり (デスクトップ パブリッシング ソフトウェアの登場まで、マウスの使い道は初期のペイント ソフトを除き、かなり限られたものでした)、私たちの周囲にはタッチ スクリーンが氾濫しています。空港、ガソリン スタンド、映画館、レジ、そしてもちろん携帯電話にいたるまで、あらゆるところでタッチ操作が行われています。唯一タッチ操作が主流になっていないのが、私たちが使用する中で最も強力なデバイスであるコンピューターなのです。マウスの導入と同様、新しい OS によるサポート、新しいアプリ、新しいハードウェアなどに後押しされない限り、こういったイノベーションは起こり得ません。私たちは、マウスの場合と同じように、今後 PC エクスペリエンスのあらゆる局面において、タッチ操作が従来の操作方法に加わっていく (置き換えるのではなく) と考えています。その始まりとなる場が Windows 8 Developer Preview です。ですから、ここでは Windows のコア エクスペリエンスに限定せず、ハードウェアやアプリも含めて、どのような進化が起きていくのかについて話し合っていきましょう。

メインのユーザー エクスペリエンス、特に [Start] (スタート) 画面に関するコメントには、いくつか共通するテーマがあるようです。タスク マネージャー経由以外に Metro スタイル アプリを閉じる方法は用意されるのか? (その予定ですが、そういった方法を使う必要はあまりないであろうという点についても同時にお話ししたいと考えています。) [Start] (スタート) 画面でプログラムの一覧をスクロールする際の、マウスの操作性を改善できないか? (改善します。ベータではこれを含めて多くの新しい要素をお見せできる予定です。) また、最近使用したプログラムを切り替えるのは、タスク バーを使用するのに比べて非効率的だという意見もいただいています (これについては今後の投稿で詳しく言及する予定です)。他にもさまざまなコメントをいただいていますが、ここでは、皆さんから寄せられた質問について、私たちがきちんと認識しているということをご理解いただければと思います。議論を円滑に進めるために、いくつかの共通の用語について、あらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。たとえば、Metro スタイルとは Windows のあらゆる要素に対して使う設計言語です。[Start] (スタート) 画面とは [スタート] メニュー (およびタスク バー、通知、ガジェット) の進化形であり、"Metro シェル" と形容するべきものではありません。また、私たちは "Metro" を Windows のモードの 1 つであるとは考えていません。Metro はむしろ、WinRT 向けに書かれたアプリケーションの属性を説明するものです (//build/ カンファレスで Metro スタイル アプリの特性 (英語) や Metro スタイルにおける基本方針 (英語) についてお話ししています)。カバーすべき内容はたくさんあります。当初私たちがプラットフォームやツールに重きを置いていたということもあり、ユーザー エクスペリエンスの変更については、このブログで十分にご説明できていなかった面もあるかと思います。

[スタート] メニューは Windows の中でも最も目に付く部分の 1 つであり、そこに変更を加えるとなれば軽く扱うことはできません。[スタート] メニューが最初に導入されたころと比べて、Windows を取り巻く環境は大きく変化しています。今日のダイナミックなコンピューティングの世界に合った、効率的なエクスペリエンスを引き続き提供していきたいというのが私たちの考えです。[スタート] メニューの進化は、アプリケーションの起動と切り替え、システム通知、ガジェットなど、関連性はあるけれども別個のものであるいくつかの概念の発達と密接にリンクしています。これらは背景やたどってきた道筋もそれぞれ異なるため、今日の多様なアプリと PC に対応した、洗練され、統一されたパワフルな操作の実現に向けて、改善の余地は数多く残されています。新しい [Start] (スタート) 画面はこの取り組みの結果として生まれたものです。

では、Windows 8 の話に入る前に、記憶をたどって過去の [スタート] メニューの変遷から学べることはないか見ていきましょう。

[スタート] メニューの歴史

[スタート] メニューの設計は、Windows 95 でのデビューに向けて 1992 年に開始されました。タワー型の PC と 15 インチの CRT モニターがオフィスでの主流だった時代です。Web はまだ実験的なものに過ぎず、ユーザーはソフトウェアを購入するために、遠くの店舗まで出かけなければなりませんでした。現在とはまったく異なる世界と言えます。[スタート] メニューの基本的な趣旨は、コンピューターで行う作業の明確な開始地点をユーザーに提供することでした。それまで使用されていた Windows 3.x 時代の概念である "プログラム マネージャ" は、浮動型のウィンドウの中にショートカットを配置したものでしたが、図らずもデスクトップや他のアプリケーションの邪魔になっていました。タスク バーに固定された [スタート] メニューは、一貫性と統合性を備えたポータルとして、アプリやシステムの機能へのアクセスを提供しました。システムのどこかにある実行可能ファイルを探し回る必要なしに、最も迅速にプログラムを起動できる手段だったのです。

Windows 95 の [スタート] メニューで [プログラム] が展開され、[アクセサリ]、[スタートアップ]、[Microsoft Exchange]、[MS-DOS プロンプト]、[Microsoft Network]、および [エクスプローラ] が表示されているようす
図 1: Windows 95 の [スタート] メニュー

Windows 95 の [スタート] メニューを見ると、Windows の後続バージョンで施された改良がまだ行われていないことに、すぐ気付かれると思います。たとえば、ポップアップ式のメニューの下にアルファベット順のプログラムの一覧を表示する方法では、ナビゲーションに時間がかかるというフィードバックを受けたため、Windows XP では、定期的に使用するプログラムを検出して表示する、"最も頻繁に使用されているアプリケーション" (MFU) セクションの導入によってこの問題に対処しました。一方で、この変更は新たな問題も生み出しました。MFU には自由にカスタマイズする方法が用意されておらず、ユーザーによっては、MFU に表示されるアプリケーションの選定方法 (複雑なヒューリスティックによって最も頻繁に使用するアプリが選択されていました) を理解しようと頭を悩ませることになりました。カスタマイズの問題に対処するため、Windows XP (および後続する Windows Vista と Windows 7) では、最も重要なアプリケーションをピン留めできるセクションを用意し、すぐに起動できるようにしました。しかし、この機能にも制約がありました。アプリをピン留めセクションに置いて、並べ替えることはできるものの、数個以上のアイテムがある場合にグループ化や整理を行う方法がなかったのです。

また、Windows XP では、[すべてのプログラム] の操作にも問題がありました。展開されたプログラムの一覧をマウスでたどるうちに、ポインターがメニューからずれてしまい、操作を初めからやり直さなければならなくなるケースが珍しくありませんでした (これはノート PC でトラック パッドを使用している場合や、細かい操作が困難なユーザーの場合に顕著でした)。また、低解像度の画面ではプログラムの一覧を表示するのが難しいという点も、課題の 1 つでした。Vista ではメニューを単一化して、マウスの微妙な操作を必要としないツリー コントロールを導入することによってこの問題に対処しました。しかし、メニューにはスクロール バーが必要となり、[すべてのプログラム] が狭苦しく感じる問題は残ってしまいました (図 2)。[スタート] メニューは既に手狭になりつつありました。

Windows 7 の [スタート] メニューで [すべてのプログラム] を展開し、20 個のプログラムが一覧表示されているようす
図 2: Windows 7 の [スタート] メニューの [すべてのプログラム]

[スタート] メニューのもう 1 つの大きな進化は、クイック検索の導入です。Vista および Windows 7 において、メニューを開いて必要なものを入力するだけという、たいへんシンプルな操作が実現しました。起動までの時間を短縮できる強力な機能ですから、愛用されている方は多いと思います。高度なコマンドの導入により、[ファイル名を指定して実行] ダイアログの必要性も低くなりました。それでも、まだ改善の余地が残っているのは確かでした。検索結果の表示が狭苦しく感じることがありますし、さまざまな種類のデータ (電子メール、ファイル、コントロール パネルの設定など) を同じ 1 列に表示するのは常にベストな方法であるとは言えません。Windows 8 の [Start] (スタート) 画面では、検索はサポートされるのかという質問をいただいていますが、これについての答えはイエスです。[Start] (スタート) 画面でそのまま入力を始めると、即座に検索結果が表示され、アプリ、ファイル、または設定ごとに表示をフィルター処理することができます。また、Windows 7 と同様、エクスプローラーからは検索機能をフルに利用することができます。

これらの課題と寄せられたフィードバックに基づき、私たちは [スタート] メニューのエクスペリエンスを何年にもわたって改善し続けてきました。しかしそれでもなお、Windows 7 の [スタート] メニューにはユーザビリティのコアの部分で次のような課題が残っています。

  • すべてのプログラムの一覧を表示または操作しようとすると、利用できる画面の広さに対してメニューが狭苦しく感じる。
  • 検索を行った際、すべての情報ソースから集約した、内容の充実した検索結果をすばやく表示するのに十分なスペースが割り当てられていない。特に大きな画面の場合に不十分に感じる。
  • 本当に自分にとって使いやすいようにカスタマイズするのが難しい。
  • アイコンやショートカットは静的で、近代的なグラフィック インターフェイスに見られるような、シナリオどうしの関連性を表現するダイナミックな表示になっていない。

もちろんこれらは、私たちが現在、改善に取り組んでいるもののすべてではありません。[Start] (スタート) 画面とシステムの他の部分との統一、新しいシナリオの実現なども推進しています。製品に少しずつ改良を加えていくのではなく、ときには一歩下がって、根本的な刷新をゼロから行うことは、製品の設計を行ううえで重要なステップの 1 つです。[スタート] メニューのように、PC が今日とは異なる形で利用されていた時代に生まれたツールの場合は、特にこれが当てはまります。

問題空間の広さを見失わないことも重要です。[スタート] メニューを利用する場合、検索機能の一部を除き、ほとんどがアイテムの起動のために使用されています。Windows 7 の全体的なプログラム エクスペリエンスには、タスク バーを利用した切り替えやピン留め、通知領域のアラート、デスクトップ上のガジェットなども含まれます。Windows 8 でこれらの機能がどのように調和的にまとめられているかについては、この後で触れていきたいと思います。

[スタート] メニューの使用状況

[スタート] メニューの歴史を簡単におさらいしたところで、今度は [スタート] メニューが実際にどのように使われているかを見てみましょう。時がたつにつれ、使用状況がどのように変化したのかを確認することができれば興味深いと考え、図 3 に、Windows の 2 つのバージョン間における [スタート] メニューの使用状況の変化を示しました。

[スタート] メニューの機能

使用状況の変化

ピクチャ

-61%

ドキュメント

-56%

コントロール パネル

-54%

ピン留めされたアイテム

-51%

すべてのプログラム

-42%

コンピューター

-40%

MFU

-28%

メニュー自体の展開

-11%

 
図 3: Windows Vista と Windows 7 での [スタート] メニュー機能の使用状況の変化

Windows Vista と Windows 7 での、[スタート] メニューの使用状況の劇的な違いは、特筆に値します。一部の特別なフォルダー (メニュー右側に表示されているアイテムをこのように呼んでいます) では、使用状況が 50% 以上減少しています。同様に、[スタート] メニューにピン留めされたアイテムの Windows 7 における使用頻度は Vista の半分以下になっています。[すべてのプログラム] と MFU へのアクセスも大幅に減っています。また、[スタート] メニューそのものを開く頻度も 11% 減少していることがわかります。11% というのは一見すると少ないように感じますが、ユーザー数が何億という数に上ることを考えると、Windows のインターフェイスの中でも特に幅広く認知されているこのメニューの使用頻度がこれだけ低下しているというのは驚くべきことです。少数のユーザーが調整する隠れた設定項目などではなく、Windows の基本的な部分の 1 つが、徐々に使用されなくなってきているのです。

では、[スタート] メニューの使用状況はなぜこのように変化してきているのでしょうか? その秘密は、Windows 7 で導入された、画面の下に表示されているバーにあります。

"スタート バー"

Windows タスク バーの進化によって、[スタート] メニューはダイレクトに影響を受けました。かつてはメニューの下に隠されていたものが、突然ユーザーのすぐ近くで提供されるようになったのです。最も目覚しい進歩は、1997 年にリリースされた Internet Explorer 4.0 の Windows デスクトップのアップデートで導入された "クイック起動"、そしてごく最近 Windows 7 で登場したタスク バーへのピン留め機能です。

余談ですが、Windows XP では当初、クイック起動が既定で無効になっていたのをご存知でしょうか? これは、MFU リストと [スタート] メニューへのピン留めだけで十分だと考える人もいたためなのですが、その後、そうでないことを示す大量のデータが得られたため、この決定は覆ることになりました (もっとも、当時判断材料として利用できるデータの量はまだ限られていたため、幅広いユーザー層の実際の行動を把握できていたわけではありません)。このことから私たちが学んだのは、ソフトウェア ヒューリスティックを通じて何が重要かを推量したり、重要度の高いアイテムと低いアイテムを混在させるよりも、ユーザーにとって重要なのは、自分が重視するアプリを自由に指定でき、それらが 1 か所に表示され、クリック 1 回で起動できることだということです。

さらに理解を深めるために、ユーザーがアプリをどこにピン留めしているかを表すデータを見てみましょう。図 4 でわかるのは、85% のユーザーが 3 つ以上のアイテムをタスク バーにピン留めしているのに対して、同じ数のアイテムを [スタート] メニューにピン留めしているユーザーはわずか 23% だということです。タスク バーと [スタート] メニューでは既定でピン留めされているアイテムの数が異なりますが、多くのユーザーはどちらも自分の好みに合わせてカスタマイズしています。多くのユーザーが、アプリを [スタート] メニューの中よりもタスク バーに表示しておきたいと考えているのは明らかです。

 上の棒グラフは [スタート] メニューへのピン留めの数を示し、ユーザーの 41% が 0 個、21% が 1 個、5% 以下が 5 個以上のアプリをピン留めしている。下の棒グラフはタスク バーへのピン留めの数を示し、0 個、1 個、2 個、6 個、7 個、8 個、9 個、または 10 個のアプリをピン留めしているユーザーはそれぞれ全体の 9% 以下で、30% のユーザーが 3 個、23% のユーザーが 4 個、15% のユーザーが 5 個のアプリをピン留めしている。
図 4: [スタート] メニュー (上) とタスク バー (下) にピン留めされているアプリ数の比較

また、特に上級ユーザーは、Windows 7 のタスク バーを [スタート] メニューよりも多用する傾向があることがわかっています。タスク バーで Win + <n> (n はタスク バー上のアプリケーション アイコンの並び順に対応) などのキーボード ショートカットを使用することで、熟練者はさらにすばやく起動や切り替えを行うことができます (これらのショートカットは Windows 8 でも引き続き使用できます)。IT プロフェッショナルが使用する PC では、標準的な企業デスクトップ向けのソフトウェア アイコンでタスク バーが埋め尽くされていることも珍しくありません。[スタート] メニューを開く手間を惜しんで、コントロール パネルのような項目までピン留めするユーザーもいます。IE 9 で Web サイトもタスク バーにピン留めできるようになったことも、この人気に拍車をかけています。さいわいタスク バーには十分なスペースの余裕があり、1,024 × 768 の解像度でも、小さいアイコンなら 22 個を表示することができます。さらにジャンプ リストを活用すると、理論上はこの解像度で 220 個のファイル、フォルダー、および Web サイトにアクセスすることも可能なのです! つまり、デスクトップ アプリのみを利用するユーザーの場合、[スタート] メニューを使わなくても、日々使用するアイテムへのすばやいアクセスを可能にするためのスペースがタスク バーには十分にあるのです。

ジャンプ リストといえば、エクスプローラーを既定でタスク バーにピン留めし、よく使用するフォルダーをジャンプ リストに追加しておくことで、[ドキュメント] などのシステム フォルダーへのアクセスもさらに容易になります (上で示したように、[スタート] メニューの [ドキュメント] の使用頻度が下がっているのも不思議ではありません)。

タスク バーは、従来 [スタート] メニューがまかなっていた多くの要素を置き換えられるほどに進化してきています。タスク バーの進化によって [スタート] メニューの弱点の多くが明らかになり、[スタート] メニューはかつてほど有用ではなくなってきている、と言ってもいいでしょう。[スタート] メニューが持つ検索機能や [すべてのプログラム] へのアクセスなどの機能は、依然ユーザーにとって便利な、[スタート] メニューならではの強みですが、日々使用するアプリに関しては、タスク バーからのワンクリックでの起動には太刀打ちできません。タスク バーをデスクトップ向けの強力かつ主要な起動/切り替えツールへと進化させる原動力となったのは、長年にわたって読者の皆さんを始めとするユーザーから寄せられた数多くのフィードバックでした。多くのユーザーが [スタート] メニューよりもタスク バーから作業を始めるようになっているため、Windows 7 ではタスク バーのことを "スタート バー" とも呼ぶようになったほどです。

[スタート] にとっての新しいチャンス

Windows タスク バーがデスクトップの主要な起動/切り替えツールとなり、[スタート] メニューが日常的に使用するランチャーとしては劣っていることが明らかになりましたが、これは [スタート] メニューを刷新して、より価値のあるツールに作り替えるチャンスでもあります。多くのユーザーにとって、デスクトップで普段使用するアイテムへのアクセスはタスク バーでまかなうことが可能であり、実際そのようにタスク バーが使用されてきていることから、[スタート] メニュー独自の強みを活かして、新しいシナリオを生み出す自由が得られました。老いつつあった [スタート] メニューが近代的な [Start] (スタート) 画面に生まれ変わることにより、改良された検索機能、すべてのプログラムの表示に十分なスペース、生きた情報を表示できるタイル、よりリッチなカスタマイズ機能などの可能性が一気に開けます。次の投稿では、新しい [Start] (スタート) 画面と、それが象徴する PC の新しいあり方についてお話ししていきます。どうぞご期待ください。

Chaitanya Sareen