Building Windows 8 (Windows 8 の構築) へようこそ

Microsoft Windows の次のリリースを構築する取り組みは、業界全体にかかわるプロジェクトであり、マイクロソフトは強い使命感と謙虚な姿勢でこれに臨んでいます。Windows 8 は、新世代のコンピューティング デバイスに向けて Windows を刷新するものであり、世界中で優に 10 億人以上が使用する、新旧取り混ぜて何億台もの PC にとって最高のオペレーティング システムとなります。

私たちはこれまで、Windows 8 の設計と開発に真剣に取り組んできました。そして今日から数か月の間、プレリリース版を試用してくださる皆さんと、オープンに対話していきたいと思います。Windows 8 の開発期間中、エンジニアリング面に焦点を合わせて、このブログを定期的に更新していく予定です。このプロジェクトは、"Building Windows 8" (Windows 8 の構築) または "B8" と呼ぶことにしたいと思います。

Windows チームにとっては、Windows 7 のブログがそうであったように、このブログも Windows 8 開発の重要なパートの 1 つです。ブログによって、設計上の選択肢、現実に即したデータや使用形態、Windows 8 に盛り込む新しいオプションなどについて、皆さんと双方向的に対話することが可能になります。新しい Windows という非常に重要な製品を市場に送り出すというまたとない経験を、今回皆さんと一緒に始めたいと思います。私たちは、熱意あるエンド ユーザー、開発者、および IT プロフェッショナルの皆さんと真摯に向き合い、Windows 8 の開発について意見交換できることを心から楽しみにしています。

Windows の刷新: チップからエクスペリエンスまで

Windows 8 は、Windows を刷新するものとなります。これは非常にスケールの大きいメッセージであり、またこのブログを続けていく中で何度も戻ってくるテーマとなるはずです。それと同時に、既に販売された 4 億以上の Windows 7 ライセンスとこれから販売される多くの Windows 7 でサポートされるソフトウェアおよびハードウェアとの互換性にも、全力が注がれています。

最後に Windows が大きくオーバーホールされたのは "デスクトップ" という概念を確立した Windows 95 のときですが、それ以来、実に多くのことが変化しています。まず、今では、PC 3 台のうち 2 台がモバイル コンピューター (ラップトップ、ネットブック、ノートブック、タブレット、スレート、コンバーチブル コンピューターなど) であると言われています。また、ほとんどの PC に、ワイヤレス接続機能が搭載されています。画面サイズは 10 インチ未満のものから壁面サイズやマルチ HD スクリーンまで、多種多様です。ストレージは、メガバイト単位からテラバイト単位へと一気に拡張され、クラウドへの移行も進みました。さらに、タッチ スクリーンを備えたモバイル フォンの登場と、これらによって実現する幅広い機能性によって、私たちにとってのコンピューティングの姿が一変しました。何より、オペレーティング システムやデータより、アプリケーションやそれを使う "人" の方がコンピューティングの中心として重視されるようになりました。このような環境の変化が、チップからエクスペリエンスまで Windows が大きく変化する原動力となっています。

今年 6 月の Windows 8 プレビューでは、皆さんにユーザー エクスペリエンスをご確認いただき、ARM SoC サポートの最新情報をお知らせしました。次に開催される大きな Windows イベントは、9 月の BUILD カンファレンスです。その際は開発者の皆さんに、Windows を最大限に活用するためのあらゆるツールと機能について、さらなる詳細をお伝えする予定です。このブログでは、Windows 8 の内容をご紹介すると共に、その進化の舞台裏をお見せします。

6 月のプレビューでユーザー エクスペリエンスのご紹介から始めたのは、Windows への変更内容のうちビジュアル的に最もわかりやすい点だったからです。実際には、Windows のあらゆる機能面にわたり、慎重に変更を行いましたのでご安心ください。しかしそれだけに、このブログで何からお話しするべきか決めるのも容易ではありません。

ネットワーキングに関心を持っている人は、それについての今後の予定に興味があるでしょう。ストレージ関連に特に投資を行ってきた人は、その分野に関する新機能を知りたいはずです。パフォーマンスや基礎部分に関心がある人はたくさんいるでしょう。開発者の方も、IT プロフェッショナルの方も、ゲーマーの皆さんも、それぞれ関心のある分野の最新情報を求めているのは同じだと思います。Windows 8 には非常に多くの要素が盛り込まれており、同時に Windows 8 を見るべき視点も非常に多様で、そのどれもが重要です。ですから私たちは、Windows を現在の形にまで進化させた経緯と理由をはっきりと示すため、時間をかけてできるだけ多くのトピックを網羅したいと思います。どこから話し始めるのがベストか、視点の多様さを考えると正解は決められないので、これから数週間はシンプルに、さまざまな機能の詳細をご紹介していくことにします。基礎部分、ユーザー インターフェイス、ハードウェアのサポートその他、何であれ皆さんにとって重要なことであれば、必ずなんらかの形で取り上げます。

これまでに、Windows 8 に関する情報がなさすぎるというご意見があるということも耳にしてはいたのですが、実現の可能性をまだ確信していない機能について語ることがどれほど危険であるか、これまでの経験から身にしみてわかっています。

ですからこのプレリリース ブログでは、一定レベルの確信を持てる内容のみをお話ししたいと思います。私たちにとって最も大切なことは、お客様とパートナー様に対する責任です。Windows の進化に深い関心を寄せ、投資してきてくださった何万人もの皆さんに対して、優先順位の変更を強いたり、リソース配置をかき乱したり、戦略上の混乱を与えたりすることがないようプロジェクトを進める必要があります。このブログを用意したのは、アクセス数を増やしたりリリースに向けて雰囲気を盛り上げるためではなく、製品開発につきものの複雑さやトレードオフについて双方向でやり取りする場を確保したいという理由からです。

エンジニアリング面の重視

私たちは、コミュニティとの連携を強め、Windows のエンジニアリングおよび設計に関する信頼を回復するという必要性の認識から、"Engineering Windows 7" (Windows 7 のエンジニアリング) というブログを 2008 年に開始しました。Windows 7 のエンジニアリングを通して、多くの教訓を得ると同時に、コミュニティに対する使命感を新たにすることができました。

Windows 8 の構築へと移行する際には、Windows 7 のエンジニアリングで学んだことが基礎になりました。パフォーマンス、信頼性、互換性、セキュリティ、そして品質を重視する姿勢は、今日 Windows を新しい世代に向けて変化させていく中にあっても、私たちのエンジニアリング プロセスの根底に組み込まれています。このような変化と共に、Windows PC で行う仕事のスタイルも、ハードウェア、ソフトウェア、および周辺機器に対する継続的な投資の形態も、新しい時代を迎えようとしています。

Windows のパフォーマンスや基礎部分のエンジニアリングについての対話は、今後とも続けていきたい考えです。これらのトピックについてのフィードバックや、これらについて踏み込んだ議論が求められていることは、Windows 7 の開発期間をとおして明らかに見てとることができました。

対話を始めましょう

今日から Windows 8 に関するブログを更新していくわけですが、きっと多くの方々から (社内のチーム メンバーを含めて)、熱のこもったご意見をいただけると確信しています。私たちはチーム全体でこのブログに参加します。多くのメンバーが記事を投稿しますし、このブログに書き込んでいただいた皆さんのご意見は、全員が読み、記録していきます。チーム全員で皆さんと建設的な対話を行っていきたいと思います。私たちが何か、ミスを犯すことがあるかも知れませんが、そのときは潔く認めますので、どうかご指摘ください。ブログの投稿においても製品においても、また、チーム側でもコミュニティの皆さんの側でも、どこかの段階でなんらかの不満が発生するのはおそらく避けられないことでしょう。いずれの場合も、私たちはコミュニティの皆さんとの間で建設的な意見を交わし、データを共有し、必要な変更を注意深く行っていけるように努めます。

ご意見はブログへのコメントをとおして気軽にお寄せください。すべてのコメントや質問にお答えすることはできませんが、ブログのトピックについてのご提案やご意見はいつでも大歓迎です。なお、"Engineering Windows 7" ブログでのフィードバックを受けて、このブログは英語以外の数種類の言語でも同時に公開しており、英語版の投稿から通常は 48 時間以内に各言語版が投稿されます。

投稿の通知をご希望の場合は、Twitter ( @BuildWindows8) でのフォローがおすすめです。 "win8.ms" の短縮 URL から、投稿やビデオへのリンクを参照することができます。

それではこれからも、Windows 8 のエンジニアリングにご注目ください。このブログへのご参加を心よりお待ちしています。

--Steven Sinofsky