MRPパフォーマンスを改善するチェックポイント【Part 2】

Part 1ではヘルパーの使用やパラメータ設定について、MRPパフォーマンスの最適化に貢献するコツを何点かお伝えしました。MRPの設定については、製品のタイプ(ディスクリート製造、プロセス製造、ハイブリッド製造)や、受注形態(個別注文、バルク注文)に依存しますが、さらにパフォーマンスの改善に有効なチェックポイントをご紹介します。 1. 類似のリードタイムを持つ品目は、同じ補充グループを割当てる 補充タイムフェンス、マイナス在庫日数やプラス在庫日数などの補充グループパラメーター設定は、品目のリードタイムに深く関係しています。そのため、品目に適していないリードタイムをMRPが考慮した場合、不必要な計画オーダーが作成されてしまうため、パフォーマンスおよび実行時間の最適化が望めません。従いまして、一つの補充グループに類似のリードタイムを持つ品目で構成するようご検討ください。 【リードタイムに関する詳細情報】 TechNet https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa497131.aspx 2. MRPパラメータ:動的マイナス在庫日数を使用時の注意点 マイナス在庫日数の設定は品目リードタイムに深く関連しています。マイナス在庫日数が品目のリードタイムより短い場合でも、計画オーダーが生成されます。例えば本日が5月1日、販売注文日付が5月5日、品目リードタイムが6日、発注書が5月8日とします。マイナス在庫日数が2日だと想定すると、品目のリードタイムより短いことになります。納期に間に合わないにもかかわらず、MRPは計画発注書を作成してしまう結果となりますので、ご注意ください。 3. 補充グループのマイナス在庫日数はリードタイムよりも長く設定 上記項目 2 の注意点から、品目リードタイムよりマイナス在庫日数を長く設定することで、余計な計画オーダーの生成が回避されます。 4. プラス在庫日数は必ず「日数」を指定 補充グループのプラス在庫日数がゼロまたは空欄の場合、MRPは既に確定されているオーダーを考慮しないため、新規に計画オーダーが作成されます。補充グループのプラス在庫日数を指定する場合はゼロまたは空欄とならないよう設定ください。なお、手持在庫に関しては、プラス在庫日数の設定を考慮しません。 5. 定期発注・定期製造される品目 定期発注・定期製造される品目のプラス在庫日数は、リードタイムと同じ値を指定することでパフォーマンスが改善されます。 6. MRP実行時の起動オプション 「再生成」ではなく、「差分変更」にしていただくことで、変更分のみMRPがスケジューリングされますので、実行時間の短縮が可能となる場合があります。 7. MRPで使用されるカレンダー MRPで使用するカレンダに不必要な期間割当がされていないかどうかご確認ください。本日の日付から50年間有効なカレンダを使用することは、現実的ではありません。 業務に適切な期間のカレンダを使用してください。 8. 関連するテーブルエントリの削除 MRP実行前に、前回実行された計画を削除してください。または、以下のテーブルエントリを削除後、マスタスケジューリングを実行してください。必ず検証環境にてテストを実施し、問題がないことをご確認のうえ本番稼働機にて実行してください。 ReqTrans ReqTransCov ReqPO WrkCtrCapRes

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MRPパフォーマンスを改善するチェックポイント 【Part 1】

MRPのパフォーマンスは、データ量やハードウェアスペック、BOMの構成、バッチスレッド使用など、様々な要因に依存していますが、MRPパフォーマンス改善にむけて、確認していただくチェックポイントがいくつかございます。(以下のリストはAX2012対応となっておりますので、AX2012以前のバージョンには対応していない事項もあります)   一度にすべてを適用するのではなく、検証環境にて1つずつ設定を変更して頂くことで、どの設定を見直すべきか、それぞれご確認いただくことで最適値を知ることができます。   1.   ヘルパーの使用 マスタープランを実行する際に「ヘルパー(複数のバッチスレッド)」(マスタプラン > 定期処理 > マスタースケジューリング > スケジューリングヘルパー)を使ってパラレル処理をすることで、ランタイムの処理が短縮できる場合があります。それぞれのヘルパーはMRPのメイン処理に加えて、補助機能としてMRPを実行します。 【ヘルパーに関する詳細情報】 TechNet: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/gg242496.aspx 2.   ヘルパーの適正数 ヘルパーの数はバッチ サーバーで使用可能なスレッドの最大数またはそれ以下にする必要があります MRPを実行するバッチグループで、使用可能なバッチスレッドより大きい数を指定しても、意味がありません。サーバー/バッチ グループごとのスレッドで使用可能なバッチの数を確認するには、システム管理 > システム > サーバーの構成 より確認ください。 3. 複数AOSの使用 MRP実行時に複数のAOSを使用することによりパフォーマンスが改善される場合があります。また、MRP実行時には、同時に負荷が高い処理が実行されないようにスケジュールします。また、MRP実行時にアクセスが発生するテーブル(InventTrans, InventSumLogTTS, ReqItemTableなど) をロックするような処理は避けてください。 4. 使用していないコンフィグレーションキーの無効化 一例として、プロセス製造モジュールを使用している場合、バッチ番号の有効期限チェックなどの余計な計画ロジックが発生しますので、MRPの実行時間の遅延原因になる場合があります。使用していないモジュールがある場合は、該当するモジュールのコンフィグレーションキーの無効化をご確認ください。 5. アクションメッセージの使用 アクションメッセージを有効化すると、MRP処理時間に影響があります。アクションメッセージを使用して業務分析などを実施していない場合は、アクションメッセージタイムフェンスを「0」に設定 (マスタプラン > 設定 > 計画 > マスタプラン) することで、無効化されMRPパフォーマンスが改善されます。同時に「補充グループ」 (マスタプラン > 設定 > 補充 > 補充グループ) のアクションメッセージ設定についても無効化されていることをご確認ください。  6. 計画メッセージの使用 計画メッセージの有効化も、MRP処理時間に影響があります。計画期日が必要なBOM計画 (下位レベルの品目などについて今日の日付よりも前の注文日付が計算された際に計画メッセージが出力される)…

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本番環境でのデータ参照方法

Dynamics 365 for Finance and Operations の本番環境のデータベースには直接アクセスできませんが、Table Browser の機能をご利用いただくことにより、データをご確認いただけます。   [Table Browser] 以下の URL を直接指定していただくことにより、データを参照いただけます。 https://(Dynamics 365 for Fin&Ops の URL)/?mi=SysTableBrowser&cmp=(会社コード)&tablename=(テーブル名) 上記の (Dynamics 365 for Fin&Ops の URL) はお客様の環境のURLを、(会社コード)は会社コード、には、(テーブル名)はデータを確認したいデーブル、もしくはビュー名に置き換えてください。 (例) https://xxxxxxxxxxxx.cloudax.dynamics.com/?mi=SysTableBrowser&cmp=USMF&tablename=salestable   (参考情報) AX7 Table Browser and Class Runner   [Filter] Filter の機能を利用し、条件を指定することも可能です。詳細は以下の資料をご覧ください。 https://docs.microsoft.com/en-us/dynamics365/unified-operations/dev-itpro/user-interface/filtering   (参考情報) Search/filter options in New Microsoft Dynamics AX   [Note] より複雑な条件にてデータを検索したい場合には、お客様のご要望に沿った画面やレポートをなどの作成をご検討ください。   [補足情報]…


固定資産移行時の制限事項について

固定資産移行時の制限事項についてご案内します。   レガシーシステムから Dynamics AX  固定資産モジュールへの固定資産データの移行方法についてご相談をいただくことがあります。   例えば、運用開始時の簿価を移行する方法として、固定資産マスターの登録および固定資産の取得後、固定資産仕訳帳から減価償却明細を生成して、固定資産の移行時までの減価償却額をAX に転記する方法がございます。 固定資産仕訳帳から 償却提案機能 (提案 > 償却提案) を利用すると、固定資産マスター (償却方法) の設定に従い、自動で減価償却明細を生成することが可能です。 固定資産移行時には、償却提案機能の「減価償却の集計」オプション をご利用いただくことで、複数の会計期間 (および会計年度) の償却額をまとめてひとつの減価償却明細として生成し転記することができます。 ただし、この「減価償却の集計」オプション には利用上の制限事項がございます。以下に回避策とあわせた対応方法をご案内いたします。   制約の概要 =============== 日本の固定資産の償却計算については年度単位で償却限度額を算出し各期に按分します。その際「減価償却額の集計」を on にして期中までの償却額提案/転記を実施しすると、後続する期間 (年度内の残りの期間)  に対して、想定と異なる償却提案額が提案されます。   対応方法の概要 =============== 日本の国別要件を利用する環境においては、複数期間の償却金額をまとめて償却提案する際、会計年度の単位で、1つ以上の償却トランザクション (減価償却明細) を生成/転記する方法です。   対応方法詳細 =============== 償却方法が「200%定率法」、「250%定率法」、「旧定率法」の固定資産を例に「減価償却の集計」オプションを利用した償却提案の方法をご案内いたします。   移行時の想定条件 ——————– 日本の固定資産機能を利用するための必須の設定は対応済。 会計年度は 4/1 から 翌年 3/31。 Dynamics AX へ移行が必要なのは 2016/12/31 までのトランザクション。 2017/01/01…

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