AX2012R2 Hotfixに関して

最近Hotfixに関する御質問を頂くことが多いですので、以下にAX2012R2のカーネルHotfix及びアプリケーションHotfixに関して、よく頂くご質問の回答を致します。

< カーネルHotfix>

カーネルHotfixは累積Hotfixですので、例えばAX2012R2の最新のカーネルHotfixには、AX2012R2RTM以降に対策された全てのカーネルHotfixでの修正を含みます。

カーネルHotfixダウンロードサイトの説明にx86等の記述が有りますが、カーネルHotfixはx86,x64両方に対応しています。

 

<カーネルのバージョンに関して>

(1)カーネルHotfixは累積なので、同じSP内であればビルド番号が大きいHotfixはビルド番号が少ないHotfixを含みます。

(2)カーネルのバージョンはアプリケーションバージョン(CUレベル)と同じか新しくして頂くことをお勧めします。

(例えばアプリケーションがCU7、カーネルがCU6といった構成はお勧めしないということです)

(3)「モデルストア(.axmodelstore)」を2つの環境で移動する場合、2つの環境のカーネルバージョンは一致している必要がございます。

(4)「モデルファイル(.axmodel)」を2つの環境で移動する場合、移動先のカーネルは、移動元のカーネルと同じバージョンか、又は新しい必要が有ります。

カーネルのバージョンが新しい環境から、古い環境にモデルファイルは移動できません。

(5)サーバとクライアントのカーネルバージョンは一致している必要がございますので、サーバ側にカーネルHotfixを適用された場合は、全クライアントにもカーネルHotfixを適用頂く必要が有ります。

カーネルHotfixを適用される場合には、全てのインストール済みパッケージに適用頂く必要が有ります。

 

< アプリケーションHotfix>

アプリケーションHotfixは、累積ではなく個別Hotfixです。

アプリケーションHotfixは、最新のビルドをベースに開発されているため、特定の問題と直接関係しているオブジェクト以外にも、依存関係のあるオブジェクトを含む場合があります。

これには以下のメリットがございます。

前提Hotfixを個別に適用する必要が無い。

 古いCU環境にも適用可能

 

対象となるHotfixは、AX2012R2のアプリケーションHotfixの場合、AX2012R2RTM以降の全てですので、後にリリースされるアプリケーションHotfixほど依存関係のあるオブジェクトが増える可能性があります。

依存関係のあるオブジェクトが含まれる仕組みは以下の例をご参照ください。


 
<Understanding Application Dependencies in Dynamics AX 2009 Hotfixes>

https://blogs.technet.com/b/dynamicsaxse/archive/2011/05/11/understanding-dependencies-in-dynamics-ax-2009-hotfixes.aspx

 

< カーネルHotfix 、アプリケーションHotfixの見分け方>

Hotfixがカーネルかアプリケーションかは、ダウンロード用のURLでは区別がつきませんがダウンロードして解凍することで確認可能です。

カーネルHotfixの場合は、msiフォルダがあります。

 

アプリケーションHotfixの場合、modelsフォルダがあります。

また、変更があったオブジェクトの一覧が記載されているテキストファイルもあります。

各AXバージョン、SP,RU,CUのビルド番号は以下のサイトご参照ください。

<Overview of Microsoft Dynamics AX build numbers>

https://blogs.msdn.com/b/axsupport/archive/2012/03/29/overview-of-ax-build-numbers.aspx